Monthly Archives: 3月 2020


十国峠から望む月

今回、中国から伝わった十五夜と日本古来の風習である十三夜を楽しむ十国峠を「日本百名月」に認定。中秋の名月の頃には「星空・惑星観望会」が開催され、月が木星・土星のそばを通り過ぎていく様子が観望できる。また、中秋の名月から約1ヶ月後の満月の直前には「栗名月」を開催。月光天文台のスタッフによる星空の解説を聞きながら、十五夜に次いで美しいといわれる十三夜の月が堪能できる。11月下旬〜2月初旬には、「トワイライト運行」も実施。駿河湾に沈む夕陽やオレンジ色に染まる富士山等の夜景が美しい瞬間が味わえ、闇が迫る東の空からのぼる月を楽しめる。12月の2日間限定で「ノスタルジックナイト」も開かれ、LEDキャンドルのやさしい灯りが彩る幻想的な雰囲気の中、夜空に浮かぶ月も眺められる。

松江城にのぼる月

天守に登れば、松江市街や宍道湖が一望できる。現在、天守は夜間ライトアップが実施され、夜空に浮かび上がる松江城とともに名月を鑑賞できる。中秋の名月の頃には「松江水燈路」を開催。松江城周辺を約2000個の行燈で照らし出す光のイベントが実施され、「水の都」と言われる城下町は、光と影が織りなす幻想的な風景に包まれる。目玉は、一年でこの時期の夜間だけ運航される堀川遊覧船。船上からは、城下町の雰囲気を残す街並みと水面を揺らぐ水燈路行燈の優しい灯りが存分に堪能できる。

水郷柳河の月

柳川の風物詩「川下り」は、1954年に白秋の少年時代を描いた映画「からたちの花」が公開された後に「あの川遊びを」との問い合わせが相次ぎ、誕生した。四季折々の花木が薫る様子やどんこ船からの景色が一年を通して楽しめる。中秋の名月の頃には「観月船」が運行。船に揺られ、「水上あんどん」や「ほたる灯」が水面に映り込む情緒ある雰囲気の中、秋の澄んだ空に昇る名月を鑑賞できる。夏から9月には夜の川下り「灯り船」や「納涼船」、白秋の命日の11月には「ほおずき提灯」や「行燈」で飾られた約70隻の船が夜の掘割をパレードする「白秋祭水上パレード」等が催され、月明かりの下で川下りが楽しめる。様々なイベントを通して月明かりを楽しめる水郷柳川を「日本百名月」に認定。

蔵王連峰にのぼる月

上山市は、山形市の南側に隣接する。会津の東山、庄内の湯野浜と並び、「奥羽三楽郷」と言われるかみやま温泉がある。1458年約560年前に開湯した歴史ある温泉地。城下町や宿場町として栄え、風情溢れる温泉街と三つを兼ね備えた町は珍しい。蔵王温泉創業約300年と歴史ある深山荘高見屋では、滾々と湧き続ける自家源泉で贅沢に掛け流し温泉を堪能し、夜空に浮かぶ月を楽しめる。共同浴場も点在し、のんびりと湯巡りをしながら月が鑑賞可能だ。また、蔵王高原の標高500mに位置し、2004年に「日本夜景遺産」に認定された「西蔵王公園」の展望台からは、山形県下において最上級のパノラマ夜景とともに蔵王連峰の稜線と月を眺められる。さらに上山市の葉山温泉街のすぐ裏手には標高319mの花咲山の中腹に展望台があり、蔵王連峰などに囲まれた風情ある温泉街の街灯りと夜空に上る名月が堪能できる。今回、これら両市から眺められる蔵王連峰に上る月が「日本百名月」に認定された。

東郷湖(望湖楼)にのぼる月

灯篭と行灯に照らされた赤い手すりのある桟橋の先には、国内唯一の湖上露天風呂がある。湖に浸かっているかのようなロケーションが自慢の露天風呂やテラス、屋上展望の足湯があり、様々な場所から湖上の月が鑑賞可能。美しき名月は湖の対岸に連なって見える鉢伏山等からのぼり、湖周辺は優しい月あかりで照らされる。時間の経過とともに移ろう景色を贅沢に眺められ、「東郷湖にのぼる月」を対象として認定。

六甲・摩耶山系から望む月

絶景と自然豊かな摩耶山。「摩耶山・掬星台」は、隣接する市街地からケーブルカーとロープウェーを利用し自然を身近に楽しめる。六甲山よりも標高は低いが、夕暮れからは大阪方面から神戸市街のダイナミックな夜景が眺められ人気だ。展望台には天の川をイメージして作られた遊歩道「摩耶★きらきら小径」が設置され、ブラックライトの照明により青白くぼんやりと浮かびあがり幻想的な雰囲気は人気が高く、名月鑑賞にも最適。六甲山・摩耶山には多々の展望スポットがあるが、今回は主要な夜景スポット「六甲山 天覧台」「六甲ガーデンテラス」「摩耶山・掬星台」から望む名月全てを「日本百名月」に認定。

詳しくはこちら

摩耶山・掬星台

https://www.feel-kobe.jp/kobe-yakei/area/mountain/03/

六甲山 天覧台、六甲ガーデンテラス

https://www.rokkosan.com/

けいはんな記念公園・水景園の月/観月の夕べ

毎年中秋の名月には公園のイメージシンボル「月」をテーマとした公園最大のイベント、『観月の夕べ』を開催。夜間は無料開放され、月の音楽会やお茶席、月のアート展等、様々なイベントで賑わう。水景棚にはかがり火がたかれ、高さ10m・延長123mの歩廊橋「観月橋」や、水景園を望む展望室およびギャラリーがある「観月楼」を幻想的にライトアップ。陰影も美しい雅やかな雰囲気の中で愛でる名月は多くの人々を魅了している。

大阪城にのぼる月

大阪城は2013年「日本夜景遺産」(ライトアップ)に、2014年「日本三大夜城」に認定されたが、今回は大阪城にのぼる名月が「日本百名城」に認定された。大阪城公園は105.6haの広大な公園で常時開園、天守閣のライトアップは日没から24時までほぼ毎日実施されており、その広大な公園からは様々な名月鑑賞が可能で、荘厳な天守閣と月とのコラボレーションが楽しめる。驚くほどのスケールを誇る巨大な城郭から眺める月、徳川時代に築かれた堀や石垣と月、月光に照らされた天守閣と金の鯱等、その魅力を語れば切りがないほどだ。月にちなんだイベントは特に行われていないが、多種多様な名月を見ることができる応用力の強さが「日本百名月」認定の大きな理由になっている。

湯郷温泉にのぼる月

温泉街近くの清流・大谷川は、人気の蛍鑑賞スポット。ほたる祭りも催され、5月下旬〜6月中旬にかけてゲンジホタルが多い時には数千匹乱舞し、蛍が発する幻想的な光景が見られる。湯郷温泉では、「七夕夜市」や「浴衣夜市」等様々な夜市も開催され、観光や湯治で訪れた多くの人が屋台を巡りながら賑わう。中秋の名月に実施される「お月見夜市」でも夜店が並び、フルート二重奏やオカリナ等の毎年異なる音色が響き渡り、風情溢れる時間が過ごせる。温泉街からは標高342.5mの大山(おおやま)越しにのぼる月を鑑賞可能。昭和レトロな街並みの湯郷温泉にのぼる名月が堪能できる。また、大山に位置する展望台からもゆったりと時間が流れる湯郷温泉と月明かりが眺められ評判が高い。

根浜海岸(宝来館)から望む月

大槌湾は、左右を半島に囲まれた奥行き8kmと細長い形状。湾の北側には「ひょっこりひょうたん島」のモデルとされる蓬莱島、南西岸には海水浴場でもある根浜海岸がある。根浜海岸は日本の白砂青松100選(林野庁)にも選出された美しい浜辺。この浜辺から冬の12月〜3月までの満月前後の期間限定で海面に浮かぶ「月の道」を愛でることが出来る。静寂に包まれる夜、砂浜に打ち寄せる心地よい波音を耳にしながら闇夜に光る月と水面に輝く月の道を眺めていると時間の経つのを忘れる。