Monthly Archives: 3月 2019


桂浜から望む月

古来より月の名所として知られ、“月の名所は桂浜・・・”と「よさこい節」にも唄われているほど。太平洋に映えるムーンロード、月と松の光と闇のコントラストなど、時代を超えた情感が漂う。中秋の名月の頃には「桂浜観月会」を開催。桂浜の遊歩道に和灯籠が灯されるほか、年度によって異なるものの、桂浜水族館の夜間営業や月見うどんのふるまい、ナイトツアーも実施され人気を博している。

釜臥山から望む月

蝶が輝く宝石(パール)を求めて飛んでいるような幻想的なシーンを創出する。釜臥山展望台は2階建ての無料施設。5月下旬(ただし、開設日が雪の状況により遅れる場合があり)から113日まで。時間は午前830分から午後9時半まで利用可能。遊歩道は、830分から午後430分まで。暴風等気象条件により閉鎖する場合もあるため事前に確認が無難。

竹田市・岡城・荒城の月

現存する城跡は、文禄3年(1594)に播州三木から入部した中川氏により拡張されたもので、本丸、二の丸、三の丸、西の丸などの主な曲輪から成る。趣味人であった藩主は、城の北側にある絶壁を三日月型にくり抜き、その中に明かりを灯して、月のない夜も月見の宴を楽しんだという。明治4年の廃城令により城館は取り壊されたが、石垣が当時の姿をしのばせている。瀧廉太郎は少年時代を竹田で過ごし、荒れ果てた岡城に登って遊んだ印象が深かったとされ、明治34年(1900)に中学校唱歌として「荒城の月」を作曲、発表している。城跡から望む月の輝きが石垣にうつる姿も優艶である。春の桜、秋の紅葉と四季折々に多くの観光客の目を楽しませている。

屋島から望む月

大型の回遊式水槽やイルカショーを楽しめる「新屋島水族館」や四国霊場八十八ヶ所第84番札所「屋島寺」、麓には民家を中心とする古建築をテーマにした「四国民家博物館(四国村)」がある。展望スポットのひとつである山上の「獅子の霊巌」は高松市街地から瀬戸内海まで続く大パノラマが秀逸で、「日本夜景遺産」に認定。現在、新たな観光拠点として、展望スペースを備えた屋島山上拠点施設(仮称)の整備が進んでいる。東側から昇る月は日没以降には屋島スカイウェイ沿いから楽しめ、明け方に向かうにつれ高松市街地の夜景と競演する。

倉留寺の月/観月会

「新年開運・厄除け祈祷会」「初大師 だいこん加持」「節分星供祭」「納め大師など一年を通して様々行事が行われるなか、秋の中秋の名月には「観月会」(十五夜)を実施。夜の境内に700個の万燈が灯されることで幽玄な雰囲気が存分に創出されつつ、眼下の宍道湖に満月が浮かぶ中秋のひとときをお抹茶、割子そば懐石と共に堪能できる。平成11年から始まり、毎年3日間で300人前後が来場。出雲空港への離発着する飛行機と月が重なる貴重な光景も楽しめ、虫の声、風の香り、ピアノの弾き語りなど、自然環境を存分に生かしながらお月見鑑賞の質を高めている。

日本平から望む月

「日本夜景遺産」に認定された夜景スポットとしても知られ、その眺望は眼下に広がる清水区の市街地やオレンジ色に煌めく清水港、遠くは富士山や伊豆半島、北側には南アルプスまで360度の景観が望める。昨今は新たに展望回廊が建設され、より開放感溢れる夜景が楽しめるようになった。ロープウェイで久能山に渡れば、2010年12月に社殿が国宝に指定された久能山東照宮があり、歴史ロマンに浸ることができるほか、「東照宮と月」「清水港や駿河湾と月」「静岡市街地と月」など、様々なバリエーションで名月鑑賞が楽しめる。

姨捨棚田にのぼる月

16世紀半ばから近現代に至るまで継続的に営まれてきたその姿は、農業の土地利用の在り方を示す独特の文化的景観の価値を抱いている。平安時代から“月の名所”として知られ、棚田に映る月が移動する様は「田毎の月」として有名で、古今和歌集にもその景観と月の歌が数多く残されているほか、松尾芭蕉など多くの俳人・墨客がこの地の月を眺めに訪れた。近隣の「姨捨サービスエリア」「姨捨駅」は「日本夜景遺産」にも認定され、善光寺平に広がる夜景と棚田と名月が同時に鑑賞可能。毎年9月~10月にかけて「信州さらしな・おばすて観月祭」が開催され、全国俳句大会や中秋の名月を愛でる観察会など、期間中多くのイベントが行われる。

館山の月

市内には、南総里見八犬伝のモデルのなった戦国大名里見氏ゆかりの史跡などが残る歴史と浪漫が漂う。名月鑑賞においてもこれら史跡が大きな役割を担い、例えば、館山城と満月の競演は見事で、夜桜の季節にはより一層叙情感を増す。その他、洲崎や沖ノ島など市内の各所で、海に月灯りが照り返す幻想的な名月鑑賞が可能。なかでも、明け方の西の空に出現する満月と富士山が競演する「パール富士」は館山ならではの光景で、北条海岸など市内の東京湾に面した海岸は貴重な名月名所となっている。

サンシャイン60展望台から望む月

東京タワー、東京スカイツリー、新宿新都心、丸の内、皇居等の都心部の名所はもちろん、東京西部(中野・多摩方面)から北部(北区・埼玉方面)、東部(葛飾・千葉方面)にかけての大パノラマを存分に堪能できる。とりわけ北部は荒川が遠方に横切り、埼玉県との県境が眺められる秀逸な夜景が展開する。富士山に日が昇るダイヤモンド富士が有名な展望台である一方、都心部の夜景と月が競演する名月鑑賞も可能で、展望台では珍しい縦長の窓の上部にすっぽりと収まる風景は現代の浮世絵のような世界感がある。

偕楽園から望む水戸の月

その名は、「古の人は民と偕に楽しむ、故に能く楽しむなり」という中国の古典『孟子』の一節から命名された。有名な偕楽園の萩は、水戸藩第9代藩主徳川斉昭公(第15代将軍徳川慶喜公の父)が仙台藩から譲り受け、偕楽園創設とともに園内に植えたものと言われている。園内には宮城野萩を中心に白萩・山萩・丸葉萩など総株数約750株が咲き乱れ、「水戸の萩まつり」では開園時間を21:00まで延長し萩をライトアップ。期間中には「月見の会」(合同茶会)や、食を堪能しながら秋の名月のもと奏でられる美しい音色に耳を傾ける「邦楽と月見の宴」を開催している。