『日本百名月』認定登録地

認定登録第32号 【種別:A類】

「姨捨棚田にのぼる月」 (長野県千曲市)

画像提供:千曲市

長野県千曲市の西部・姨捨地区(標高460~560m)からは、眼下に流れる千曲川や善光寺平の広大な盆地を望め、斜面には約1,500枚の棚田が展開。近世初頭に畑や水田が混在する耕作が行われ始め、その後利水が進展することにより水田が主体となり、水源となる大池から更級川へと繋がる水系を軸として、用水や田越しの灌漑手法が網の目のように張り巡らされた。


16世紀半ばから近現代に至るまで継続的に営まれてきたその姿は、農業の土地利用の在り方を示す独特の文化的景観の価値を抱いている。平安時代から“月の名所”として知られ、棚田に映る月が移動する様は「田毎の月」として有名で、古今和歌集にもその景観と月の歌が数多く残されているほか、松尾芭蕉など多くの俳人・墨客がこの地の月を眺めに訪れた。近隣の「姨捨サービスエリア」「姨捨駅」は「日本夜景遺産」にも認定され、善光寺平に広がる夜景と棚田と名月が同時に鑑賞可能。毎年9月~10月にかけて「信州さらしな・おばすて観月祭」が開催され、全国俳句大会や中秋の名月を愛でる観察会など、期間中多くのイベントが行われる。

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