芸西村の南縁をなす海岸の砂浜で、西は長谷寄から東は安芸市の赤野川河口まで約4kmに渡って続く砂浜。渚を歩み、打ち返す波音を古人は妙なる琴の音のごとく聴き、また海上から眺める風景が琴にも似ていることから、風雅な人物により“琴ヶ浜”と名づけられたといわれている。海側斜面に防風、防砂の役目を果たす松林が約1万本連なり、樹齢300~500年の老樹も見ることができる。松林の中をサイクリングロードが走っており、青空の風とともに走るシーサイドサイクルが人気。赤野休憩所からは桂浜から琴ヶ浜へ続く海岸線が、遠く西方には浦戸大橋から幡多方面の山並みを望める。
琴ヶ浜は月の名所として広く知られ、中秋の名月のころには、竹に灯されたろうそくの灯りが琴ヶ浜を照らす「竹灯りの宵」を開催。このイベントのきっかけは、利用されなくなった竹を地域資源として活用できないかと考えた役場職員が、2014年に「地域づくりワークショップ」で竹灯りを制作することを企画したのが始まり。完成した竹灯りは村立60周年のイベントで使用され、それが好評となり翌年から定例イベントとなった。300本もの竹を使用したオブジェはボランティアの手により作成され、約2000個もの作品が完成する。イベントでは竹明かりを作るワークショップも実施。世界に一つだけの竹灯りかりと琴ヶ浜を照らす月を眺めれば、忘れることのできない一夜になるだろう。
※催事は新型コロナウイルスの感染症の状況に応じて開催を検討。詳細は公式HPまで。
画像:芸西村