日本三景のひとつである松島の月は、松尾芭蕉が延宝年間に「武蔵野の月の若生えや松島種」と詠んで憧れた。古来より様々な文人に愛されている日本を代表する名月地でもある。その認知度はもちろん、大小260余りの島々に上る名月の叙情性が多くの夜景鑑賞士の心を捉え、ノミネート及び投票においても上位を獲得。
宮城県の松島湾内外にある大小260余りの諸島と湾周囲を囲む松島海岸、 丘陵も含めた地区を総称する松島。かつては八百島と呼ばれ、江戸時代の儒学者・林春斎が日本国事跡考に「松島、此の島の外に小島若干有り、殆ど盆池月」波の景の如し、 境致の佳なる、丹後天橋立・安藝嚴島と三處の奇觀となす」と記し、日本三景の括りが始まったとされている。四季の変化に伴い、古来より月見の名所として知られ、中秋の名月頃には観瀾亭の夜間営業を行っている。