本能寺の変で討死した森蘭丸の弟・森忠政が、鶴山(つるやま)に築いた平山城。明治の廃城令により現在天守は残っていないものの、地上から45mの高さにも及ぶ石垣から当時の面影を窺い知ることができる。築城400年の記念事業として天守の南東側の備中櫓(びっちゅうやぐら)が復元され、2005(平成17)年より一般公開を開始。2006(平成18)年には天守台南側に太鼓塀が復元された。城跡は「さくら名所百選」に選ばれた西日本有数の桜の名所となっており、石垣の上から眺めるライトアップされた桜も美しい。
市民グループ「鶴山を考える会」により実施される「観月と邦楽の夕べ」は、毎年中秋の名月の日に開催。津山城の石垣を使用したプロジェクションマッピングや、茶道裏千家によるお茶席なども用意され、日本古来の伝統とともに、最先端の技術を用いてイベントを盛り上げている。プロジェクションマッピングでは、400年前の津山城の姿などが音楽と映像で映し出されるなど、映像美も圧巻。尺八琴合奏や津軽三味線の美しい音色が奏でる風流な演奏が流れるなか、津山城にのぼる月を愛でるひと時は贅沢そのものだ。
※催事は新型コロナウイルスの感染症の状況に応じて開催を検討。詳細は公式HPまで。
画像提供:津山市観光協会