『日本百名月』認定登録地

認定登録第66号 【種別:A類】

「小倉城・小倉城庭園から望む月」 (福岡県北九州市)

福岡県北九州市にあり県内唯一の天守閣を持つ小倉城。1602年に細川忠興公が築城した名城で、1959年に再建され、北九州のシンボルとなっている。天守閣は「唐造りの天守」と呼ばれ、四階と五階の間にひさしがなく、五階が四階よりも大きくなっていることが特徴。また、城の石垣は切り石を使わない野面積みで素朴ながらも豪快な風情にあふれている。小倉城庭園は、小笠原氏の別邸であった下屋敷(御遊所)跡を復元し、大名の庭園と典型的な江戸時代の武家の書院を再現、それに茶室や展示棟を備えた文化施設。庭園は、池を巡りながらさまざまな景観が楽しめる「池泉回遊式」で、池面が周囲よりかなり低い、いわゆる”のぞき池”となっているのが特徴。書院の広縁からは庭園越しに小倉城の天守閣を望める。常設展示では日本の伝統的な文化である礼法の歴史などを紹介。立礼席では抹茶を味わうことができる。


小倉城の天守閣は日没になるとライトアップされ、その姿は小倉の夜を象徴する存在だ。小倉城庭園では2021年秋よりライトアップの「おもてなし」点灯をスタートし、2022年3月末までには夜間演出の全面リニューアルを迎える。池を囲むように施された照明が、漆黒の水面に映る光景を楽しめる。庭園越しに望む小倉城天守と名月の競演も美麗。また、小倉城と小倉城庭園では年間を通じてさまざまなイベントを実施している。秋に行われる「小倉城竹あかり」では、竹灯籠が城内を照らし神秘的な空間に変化。令和2年度の小倉城竹あかりでは約3万基の灯籠が灯された。竹林被害のある山林の竹を積極的に伐採し、市民力で竹灯籠を作成しており、街の賑わいづくりに利用している。終了後は再資源化し、この事業を通じてSDGsにも取り組んでいる。同イベントは、「日本新三大夜景都市」に認定された北九州の魅力をより一層盛り上げるイベントとして注目されている。

Googleマップで開く