本州と九州を隔てる海峡で、古くから海上交通の要として位置づけられ、「壇ノ浦の合戦」や「巌流島の決闘」「下関戦争」など、歴史の潮流を変えるターニングポイントとなってきた。海峡の幅は最も狭い部分で約700メートル。水深が浅く潮目が1日4回も変わり、潮流も速いため船の航行は容易ではないが、1日500隻以上の船が通過する海の大動脈となっている。現在、関門海峡は、船、鉄道(在来線・新幹線)、自動車(関門橋・関門国道トンネル)のほか、人道により海底を徒歩等で渡ることもできる。下関側には食事処や土産店が集結した「カモンワーフ」や海鮮丼などが味わえる「唐戸市場」が立ち並び、北九州側には関門海峡に面して鎮座する和布刈(めかり)神社や門司港レトロ地区がある。
全長1068メートル、中央径間長712メートルの関門橋は「日本夜景遺産」にも登録されている夜景の名所。夜には橋脚部分から橋を照らすライトアップのほか、橋全体にイルミネーションが施され、関門海峡に光の橋が架かる美景が楽しめる。「火の山公園」や「海峡ゆめタワー」、「門司港レトロ展望室」など下関&門司エリアの夜景と共に夜を照らす月は、絵画のような美しさをたたえる。下関側にある「火の山ロープウェイ」では、中秋の名月に観月(夜間)運行を実施。午後5時以降に乗車した先着100名に月見団子が配られるほか、関門海峡をイメージしたイルミネーションで着飾ったゴンドラが楽しめる。