『日本百名月』認定登録地

認定登録第61号 【種別:B類】

「氣比神宮にのぼる月」 (福井県敦賀市)

福井県の南西部に広がる敦賀市に鎮座。大宝2年(702年)に建立され、ご祭神は伊奢沙別命、仲哀天皇、神功皇后、日本武尊など7柱。明治時代には官幣大社となった。高さ約11メートルの大鳥居は奈良県・春日大社、広島県・厳島神社と並ぶ「日本三大木造鳥居」の一つで、国の重要文化財に指定されている。境内には、神宮造営中に湧き出た1300年の歴史ある水をたたえる「長命水」や、南北朝争乱時代に南朝後醍醐天皇を奉じ、氣比大明神の神旗を掲げたという「旗掲松」など、見どころも多数。地元の人々からは親しみを込めて「けひさん」と呼ばれている。


氣比神宮は俳人・松尾芭蕉ゆかりの地としても知られており、中鳥居正面には芭蕉像と句碑が建立されている。元禄2年旧暦8月、「おくのほそ道」の道中に敦賀の地を訪れた芭蕉。宿屋の主人に「明日も晴れるか」と問うと、主人は「北陸の天気は変わりやすいので、月見なら今晩のうちに」と伝えた。芭蕉はその夜に氣比神宮に参拝。月明かりに照らされた神前の白砂が、遊行上人二世の他阿が参詣往来の妨げを防ぐために沼地を埋めた功績と知り、「月清し遊行のもてる砂の上」と詠んだ。また「おくのほそ道」で「けいの明神(氣比神宮境内)に夜参す」と記したことから、平成28年に境内が名勝「おくのほそ道の風景地」に指定された。月光により神々しく照らされる氣比神宮。松尾芭蕉も眺めたであろう景色を今に伝えている。

画像提供:氣比神宮

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