弘法大師が布教のために佐渡から能登へと渡る際に発見したといわれる島。高さ28メートルに及ぶ岩は、先端部分が突き出た形が軍艦に見えることから、「軍艦島」とも呼ばれている。島を形作っているのは太古の海に生息した藻類の一種で、珠洲市の特産物である七輪の原材料として知られる珪藻土。市を象徴する景勝地のひとつとなっている。引き潮の時間帯には見附島へと続く踏み石を渡り、島の近辺まで歩いて行くことが可能だ。浜辺には鐘が設けられており、見附島と恋路海岸を結ぶ約3キロの砂浜海岸は、「えんむすびーち」と名付けられた恋人の聖地としても人気が高い。夜には島全体がライトアップされ、月に照らされた海と見附島が輝く。
2016年より、中秋の名月に珠洲市宝立町の地域おこし団体「空海伝説活用実行委員会」による「月見会」を実施している。月見団子を味わいながら、水平線から昇る月と見附島の競演を愛でる催しだ。月夜の景色を題材にした俳句会と写真会なども開催され、作品は後日、宝立公民館に展示されるという。また実行委員会では、平安時代に弘法大師が地元で修行したといわれる「空海伝説」のPRを目的に活動している。見附島をはじめ、修行を行った「曽の坊の滝」、空海が開基した「法住寺」など、全7カ所のゆかりの地にQRコードを設置。スマートフォンで読み取ると、各所の伝説が表示される新しい仕掛けも見どころだ。
写真提供:珠洲市