『日本百名月』認定登録地

認定登録第59号 【種別:A類】

「那珂市曲がり屋から望む月」 (茨城県那珂市)

寒さの厳しい東北地方と茨城県の一部で建てられていた江戸時代の代表的な民家形式。住居と馬小屋、物置が一体となっており、土間と厩が突出し、鉤の手に曲がっていることから「曲がり屋」と呼ばれている。那珂市は1862年(文久2年)に戸崎に建てられた曲がり屋を解体保存し、那珂市役所前の「一の関ため池親水公園内」へ移築し復元。屋内は自由に見学でき、当時の農村生活を物語る手桶や火鉢などの道具も展示している。雪景色に染まる頃、目の前に広がる「一の関ため池」には、野生の白鳥が渡来。優雅な白鳥の姿と趣ある古民家との競演も見事だ。


2009年(平成21年)より、遠い昔に思いを馳せ、深まりゆく秋の風情を古民家で堪能できる「月見の会」を毎年秋に開催。特別に夜間開館される曲がり屋では、月見団子や農作物、すすきが縁側に飾られるほか、灯篭やLEDによるライトアップなど幻想的な演出が施され、あたり一帯が幻想的な雰囲気に包まれる。縁側で奏でる和楽器の生演奏を聴きながら、上空に浮かぶ月を眺めるひと時は、四季を愛でる日本の文化を体感できる貴重な時間だ。野点や駄菓子の配布などもあり、家族連れで楽しめるイベントとして地域で親しまれている。

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