『日本百名月』認定登録地

認定登録第56号 【種別:A類】

「武雄神社から望む月」 (愛知県知多郡武豊町)

愛知県知多郡に鎮座し、所在地名の「武豊町」とは、武雄神社の「武」と隣村豊石神社の「豊」の両氏神の頭文字を重ねて付けたという全国唯一の事例を持ち、知多半島で随一の社格を有する神社。創建は奈良時代と言われ、主祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)で、厄祓いの神や勝負ごとの神としての御神徳が有名だ。春には6輌の山車が奉納され、地域を挙げた盛大な祭礼で、神社への山車の曳きこみ・曳き出しの勇壮さは広く知られている。


江戸時代には、仲秋の名月が祭礼日で、文人墨客が境内に集い、数多くの名月の和歌が詠まれたが、その内の一つに「八雲立つ 出雲武雄の猛々し、身に澄み渡る 月詠之森」という満月下の日の境内の様子が書かれた和歌が現在も本殿に奉納されており、その由来から別名「月詠みの森」と呼ばれる観月の名所だ。毎年観月祭には歴史ある社と深い森に囲まれる境内に松明が灯され、講演祭・音楽祭・朗読祭等、様々な催事が行われる。舞台を背景にした名月の迫力が実直に伝わる内容だ。観光的な視点だけではなく、現代の日本人が忘れかけた由緒正しき正統派の観月文化を楽しめる。

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