『日本百名月』認定登録地

認定登録第53号 【種別:A類】

「須磨離宮公園から望む月」 (兵庫県神戸市)

兵庫県神戸市須磨区の丘陵地に広がる面積82haの広大な都市公園。元々は皇室の別荘「武庫離宮」であったが、戦火により主要な建物は焼失した。当時の皇太子殿下(現在の上皇)ご成婚を記念して新たな造営が始まり、1967年に西洋式庭園を備えた公園として開園。春と秋は約180種・4,000株のバラ、6月は約60種・4,000株の花菖蒲等、一年を通じて花々が鑑賞できる。


園内の南端にある在原行平月見の松跡(月見山)は、源氏物語の主人公・光源氏のモデル(在原行平)が月見をしたと伝わる場所だ。眺めが良く、晴れた日は神戸市街地から大阪湾、和歌山の友ヶ島まで一望。夜は「月見の名所」と称するにふさわしく、眼下に神戸のパノラマ夜景と大阪湾を照らす月の競演が楽しめる。また、西洋の雰囲気漂う庭園での名月鑑賞は、まるで異国から月を眺めているような感覚さえ抱かせる。中秋の名月には「離宮月見の宴」も開催。噴水広場前では兵庫県無形文化財「須磨琴」や音楽ライブが演奏され、中門広場での茶会や行燈展示、園内での月の天体観測体験等を実施。土地が持つ歴史的事象だけではなく、現代まで名月を伝承し続ける取り組みは見事で、本認定の評価に値した。

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