今回は「岳南電車から望む月」として認定。その理由として、列車内の照明を消灯して夜景を楽しむという珍しい取り組みを実施するほか、名月と工場とノスタルジーな駅舎が融合した特徴的な風景がある。牧歌的な日本の風景と天に昇る名月とのコラボレーションは変わりゆく現代には貴重な風景と言えるだろう。
岳南電車株式会社(旧・岳南鉄道株式会社)が運営する旅客列車で、静岡県富士市吉原駅から岳南江尾駅までの9.2km区間が片道21分の直通運転で結ばれている。「日本夜景遺産」にも認定されており、夜景は決して光量が多いというわけでは無いものの、駅舎や車両の光景、車内から望む景観的魅力など多彩な魅力を持つ。夜景の定義でもある「夜のけはい」という奥深さや、闇がもたらす想像力を掻き立てるような夜に対する本質的な価値観を創出。